弁護士による相続相談【弁護士法人心 豊田法律事務所】

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遺産分割をやり直すことはできますか?

  • 文責:所長 弁護士 武田彰弘
  • 最終更新日:2024年6月28日

1 遺産分割のやり直しは可能

遺産分割は、相続人全員が同意する場合、やり直しをすることができます。

実際に遺産分割をやり直す場合は、基本的に、新たに分割の方法を相続人全員で協議し、改めて遺産分割協議書に署名・押印して行います。

このように、遺産分割のやり直しは、相続人全員が同意すれば行うことができますが、反対に、一人でも遺産分割のやり直しに反対している場合、基本的に、遺産分割のやり直しができなくなります。

もちろん、当初の遺産分割が詐欺や強迫によって行われた場合や、錯誤によって行われた場合は、相続人全員の同意なく、取消し、改めて遺産分割をやり直すこともできますが、実際問題、このような場合はあまり多くなく、また、やり直しが認められる可能性もそれほど高くありません。

 

2 税金に注意

遺産分割のやり直しがあった場合、別途、贈与税が課せられる可能性があります。

たとえば、被相続人が父、相続人が長男と次男の場合で、当初の遺産分割では、長男が2000万円の遺産を取得したとします。

その後、長男と次男は、遺産取得額を平等にしたいという思いから、遺産分割のやり直しをし、長男と次男とがそれぞれ1000万円の遺産を取得することになりました。

この場合、税金上、長男から次男に対し、1000万円の贈与があったとして、贈与税が課せられる可能性があり、その場合、231万円の贈与税がかかります。

そうなってしまっては、最終的な遺産取得額について、長男は1000万円、次男は、贈与税を控除すると769万円なり、長男と次男との間には不平等が生まれてしまいます。

さらに、遺産が不動産の場合は、登録免許税や不動産取得税もかかってきてしまいます。

このように、遺産分割のやり直しを行うと、思ってもみない税金が課せられる場合がありますので、注意が必要です。

3 遺言がある場合の遺産分割のやり直し

遺産がある場合でも、相続人全員の同意及び遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の同意、相続人以外に、遺言書等で財産を受け取っている方(受遺者)がいる場合は、受遺者全員の同意があれば、基本的に、遺産分割のやり直しを行うこともできます。

なお、税金に関しては、遺言が存在するが相続人等全員の同意によって、遺言の内容とは別に遺産分割を行う場合、通常の遺産分割となりますので、基本的に贈与税や不動産取得税はかからなくなります。

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